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柔整・鍼灸関連情報
『自院のホームページ』 伊藤
2012.9.3

こんにちは。

残暑が厳しくまだまだ暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
暑さは残るものの時折、秋の気配を感じるようにもなりました。
少しずつ季節の変わり目が近づいています。体調管理に十分注意をしたい今日この頃です。

さて、突然ですが皆さま、自院のホームページ(以下、HP)はお持ちでしょうか?

今回はそのHPに関するお話です。

HPは今や立派な広告・宣伝媒体として活用され、国や企業~個人に至るまで、無くてはならない存在となっています。医療機関でも同様に、数多くの様々な施設がHPを活用し自院を紹介しています。
現状、医療機関のHPは院内掲示や院内配布する冊子と同様に原則、広告ではないとされ(医療法上の広告3要件※1を満たない場合)医療広告の規制対象外※2となっています。

整(接)骨院を含む多くの医療機関では広告規制や自主規制等により、正しい情報を掲載したHPを展開・運営していることでしょう。

しかしながら数年前、一部医療機関のHPが問題視されるようになりました。

その結果、今年の6月末、医療機関が開設するHPに対し指針案(ガイドライン)が出されました。

以下、指針案(ガイドライン)が提出されるに至った経緯と内容です。

平成24年6月29日、厚生労働省内において「第12回医療情報の提供のあり方等に関する検討会」が行われ、
今回「医療機関のHPの内容の適切なあり方に関する指針案(医療機関HPガイドライン)」が示されました。

この検討会、第1回目を平成18年9月に開催しました。
それ以降、患者・国民支援の為、医療機関の設備・内容に関する情報提供制度や広告規制の見直し等について
議論が行われてきました。

検討会では主に、医療機関における広告内容の拡大(設備や人員の詳細、病医院における客観的事実を掲載可能とする等)や罰則について話し合われていました。

検討会では、公表方法のひとつとしてインターネットを活用する記述等はありましたが、
第6回検討会(平成20年9月)までは医療機関におけるHPを問題視していることはありませんでした。

問題視されるようになったのは平成22年7月、消費者庁から医療機関が開設するHP上の不適切な表示への対応を求められたことに始まります。
ここ数年、全国の消費生活センターや国民生活センターに医療機関の広告に関する相談が多く寄せられるようになりました。特に多かったのが、美容医療やインプラント治療においてHP上の内容と実情(料金や治療内容、結果等)が大きく乖離しトラブルの原因となっている、との報告でした。

平成23年10月、第7回目の検討会において、これら一部医療機関のHPのあり方や表現方法が議題として取り上げられました。その結果、今後、更に議論を進めていく必要があると判断され、それ以降の検討会から指針作成に向けた話し合いが行われるようになりました。


そして第12回目となる今回、指針案(ガイドライン)がひとつの方向性として示されました。

指針案(ガイドライン)は以下のとおりです。

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◆ホームページへの記載が禁止される事項◆
①内容が虚偽にわたるものや、客観的事実であることを証明することができない内容のもの
 無痛治療や絶対安全な手術といった非科学的な表現
 伝聞や科学的根拠に乏しい情報の引用

②他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの
 「日本一」や「最高」といった優秀性について誤認を与えるおそれのある表現
 「著名人も受診している」といった優良誤認を与えるおそれのある表現

③内容が誇大なものや、医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調
 非常に限定された成功事例等を紹介し、効果を強調するもの
 任意の専門資格や施設認定などの過度な強調
 医療機関にとってプラスとなるような口コミ情報のみの掲載
 提供される医療の内容とは直接関係ない事項の誇張

④早急な受診を過度にあおる表現や、費用の過度な強調
 「キャンペーン中」や「期間限定」といった表現や費用の安さの過度な強調

⑤患者・国民の不安を過度にあおり、受診を促すもの

⑥公序良俗に反するもの


◆ホームページへ記載しなければならない事項◆
①自由診療に関して、通常必要とされる治療内容、費用等
②自由診療に関して、治療等のメリットだけではなく、そのリスク、副作用等

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とは言うものの、全医療機関のHPが対象となってしまうと、 指導に当たる都道府県の事務作業量の増加と患者への情報量低下が懸念されることを理由に「公的医療保険を担う一般的な医療機関のHPのあり方全体の議論に拡大すべきものではなく、美容医療サービスやインプラント治療などの自由診療分野を念頭に対応することが適当である。」としています。

つまり、今回のガイドラインは指摘のあった美容医療サービスやインプラント治療等の保険外治療である自由診療に対して、適正化を図るための指針であると言えます。但し、規制範囲は医療機関のHP全般が対象となっているので指摘等があった場合は、指導対象となることも考えられます。

また今後、罰則規定等制定された場合、開設者への責任が追及されることも予想されます。


ちなみに、柔道整復師法では広告について以下のように規定されています。

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●柔道整復師法 第6章 雑則 (広告の制限)
第24条 柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず
     次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。
     ①柔道整復の業務または施術所に関して行う広告であるものが規制の対象となる。
     ②何人も(柔道整復師以外の誰であっても)、規制の対象となる。
     ③文書その他いかなる方法によるものであっても規制の対象となる。
   2 前項第1号及び第2号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、
柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたってはならない。
平成11年4月から以下の項目が「柔道整復の業務又は施術所に関して広告し得る事項」。
   一 ほねつぎ(又は接骨)
   二 医療保険療養費支給申請ができる旨
     (脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意必要な旨を明示する場合に限る)
   三 予約に基づく施術の実施
   四 休日又は夜間における施術の実施
   五 出張による施術の実施
   六 駐車設備に関する事項

※これらに違反した場合、30万円以下の罰金(第7章罰則 第30条 5条)

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柔道整復師法だけを見ると、表示できる内容がかなり限られていることがわかります。また、厳密に言えば「文書その他いかなる方法~」によりHPも規制の対象となります。しかしながら、現状HPは規制を受けていないので、誇大広告や患者さんの誤解を招く恐れのある表現が掲載されたHPも多数見受けられます。中には目を疑いたくなるような内容を掲載している院を目にすることもあります。

柔整業界においても、決して対岸の火事ではありません。会員に対し指導や注意喚起、周知徹底している会や団体もありますし、法令に則った形でHPを展開している会や整(接)骨院も数多くあります。

今回の指針案(ガイドライン)のように「規制対象業界・団体」とならないためにも、まずは自主的な取り組みが求められます。また非常に難しいでしょうが、業界全体での取り組みも必要不可欠かも知れません。

HPを展開・運営している整(接)骨院様も多いでしょう。また展開予定や構想を練っている最中の方もいらっしゃるかと思います。HP設置済み・未設置問わず、今回の指針案(ガイドライン)を参考にしてみてください。特に、今回問題となった自由診療部分については特に注意し正しい情報・内容を掲載すること(当たり前ですが…)が重要です。

追加
指針案や柔整師法だけでなく注意しなければならない法令もありますので注意が必要です。(抜粋)
①薬事法     →効能・効果、性能等に関する虚偽・誇大広告の禁止
②健康増進法   →食品等健康保持・増進の効果等について著しく事実に相違する表示・誤認の禁止
③不当景品類及び →消費者に対し事実と異なり優良・有利を示す表示や自主的かつ合理的な選択を
 不当表示防止法  阻害する恐れがあると認められる表示等の禁止
④不正競争防止法 →不正の目的をもって役務の広告等にその役務の質、内容、用途又は数量について
          誤認させるような表示をする行為等の禁止、また虚偽の表示をする行為の禁止


※1 医療広告の定義
次の①〜③のいずれの要件も満たすこと
①誘因性:患者の受診等を誘引する意図があること
②特定性:医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の
名称が特定可能であること
③認知性:一般人が認知できる状態にあること

※2 HPを広告とみなさい理由
10年程前の医療部会等において以下の理由等により規制対象外とされました
・現状インターネットによる情報提供を推進していく必要がある
・検索 → 閲覧という行為は広報・情報提供に当たる、など